赤ワインの香りと放牧ミルクが織りなす、深くやさしいチーズ。

ウブリアーコ・ロッソ・リゼルヴァ（Ubriaco Rosso Riserva）は、イタリア北部ヴェネト州で生まれた特別なチーズ。 放牧牛のミルクをもとに、8-9ヶ月かけて香りと旨みをゆっくりと育てたチーズを、DOCワイン（メルロー・カベルネ・ラボーソ）に漬け込み、果皮の香りを纏わせています。

ワインの果皮や果汁がチーズの外皮に染み込み、深みのあるルビー色と芳醇な香りをまといます。 口に含むと、ワイン由来の果実の香りがふわりと広がり、グラスフェッドミルクのやわらかな甘みとコクがあとを追います。

表面はしっとりとしながらも中身はセミハードの食感。 ナイフを入れた瞬間に、ほんのりワインの香りが立ち上り、香りと味のバランスが絶妙。

このチーズの魅力は、単なる「ワイン風味」ではなく、ワインとミルクがひとつに溶け合った奥行きのある味わい。 ナッティで丸みのあるコク、そして後味に残るほのかな渋み。 それはまるで、上質な赤ワインをゆっくりと楽しむような、穏やかで大人の味わいです。

見た目の美しさも魅力のひとつ。

ワインの色合いが外皮に残り、カット面にはグラデーションのような赤紫が広がります。 チーズボードに盛り付けるだけで、まるでワインセラーのような雰囲気に。

ワインの里ヴェネトで、職人の手が生む“香るチーズ”。

イタリア北東部、ヴェネト州。 緑の丘とぶどう畑が広がるこの土地で、ウブリアーコ・ロッソ・リゼルヴァは静かに生まれます。

“Ubriaco（ウブリアーコ）”とはイタリア語で「酔っ払い」という意味。 ワインに“酔わせるように”チーズを漬け込むこの製法は、戦時中貴重なチーズをワイン樽の中に隠して保管したことが、今の「ワイン漬けチーズ」の原型だと伝えられています。

チーズは放牧牛のミルク（グラスフェッドミルク）を使い、地元の職人たちが季節ごとのミルクの質を見極めながら仕込みを行います。

チーズを保管する庫内では、湿度と温度が自然のままに保たれています。 強制的に管理するのではなく、空気の流れと香りの変化を感じ取りながら、自然に近い環境でチーズが呼吸するように熟していくのです。

ゆっくりと仕上がったチーズは、地元のDOCワイン（メルロー、カベルネ、ラボーソ）に2か月以上漬け込まれ、果皮やワインマストの香りをやさしく吸い込みます。 外皮がほんのりと赤く染まり、香りがミルクの甘みと一体になるまで、職人が手でチーズを回しながらワインを馴染ませていきます。

一つひとつのチーズに、違う色と香り。 それは、工業製法では決して出せない、アーティザナルの証です。

「ワインを飲むチーズ」——香りが導く、自由な一皿。

■ 想定外に合うペアリング
ダークチョコレートやベリーソースと合わせると、まるでデザートのような余韻。
グリルした梨や無花果にのせれば、温度で香りが開き、ワインのアロマがふわりと蘇ります。
バルサミコや赤ワイン塩をひとふり。香りが立体的になり、印象が変わります。

■ ワインとの合わせ方を少し変えるだけで、格が上がる。
ワインを飲む前にチーズをひと口。ワインが“あとから香る”感覚を楽しんでください。
渋みの強いカベルネには、少し厚めにカット。ミルクの甘みで角が取れます。
果実味の強いメルローには、冷やして薄く。香りが締まり、余韻が伸びます。

異国のワイナリーに吹く風を感じるような、華やかな香り。

私たちDELICEMEDは、ヨーロッパ各地のチーズ職人や食材生産者とともに、 その土地ならではの“食の記憶”を、日本の食卓へ届けるブランドです。

チーズはすべて、ご注文ごとにホールからカット。 ナイフを入れた瞬間に立ちのぼる香りと、ミルク本来の味わいをそのままお届けします。 それは、現地の市場でカットしたばかりのチーズを包んでもらう—— そんなヨーロッパの食文化を再現するための、DELICEMEDのこだわりです。

取り扱うのは、自然と共に生きる職人たちが育てた、 グラスフェッド（放牧飼育）ミルクのチーズや、 伝統的な手法で仕上げられたワイン漬けチーズ、ハード・ソフト・ブルーといった多彩なタイプ。

どれも“その土地の香り”が宿る、個性豊かな味わいばかりです。